<SOCAP体験記>SOCAP、サンフランシスコでの勝負の一週間を振り返る 〜渡米前夜編〜

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いよいよSOCAP15 Japan Teamが始動。今年もあの舞台へ。

 こんにちは!Impact HUB Tokyoで、今年のSOCAP Japan Teamのオーガナイザーを担当している山口洋一郎といいます。どうぞよろしくお願いします!今年もまたSOCAPのシーズンが到来しましたね!SOCAP Japan Teamの今年のプログラムについてご紹介をする前に、この記事を読んでいる皆さんにぜひシェアしたいことがある!と思い、今この文章を書いています。

 2年前、私は参加者としてSOCAPの舞台に飛び込みました。当時私は某金融機関の一社員。一週間の夏休みに、決して安くはない参加費を自費で払って米国サンフランシスコでの一週間を過ごしました。そこでの私の経験を、もしかしたら今年の参加者になるかもしれない読者の方々にシェアできれば嬉しいです!

2年前、焦燥感を抱えて向かったサンフランシスコ 2013年。

 当時私は新卒で入社した金融機関で働き始めた入社二年目の社員。日々投資家向け営業に走り回る日々でした。当時私が勤務していた会社は、インパクト投資という分野において日本のマーケットシェア首位を誇る会社という事もあり、頻繁にそのセールスに携わる機会がありました。そこで感じた期待と違和感が入り混じった感触を胸に抱えていた私は、何より”仲間”を求めていました。

 そんな時に出会ったImpact HUB TokyoのSOCAP参加者の記事。日本ではまだ見ぬ、より自由で活発な社会的インパクト投資の議論が繰り広げられている空間が存在することを知って、私はSOCAP参加を決めました。とはいえ社費で派遣してもらえるほど偉くもなかった私は、自らの夏休みを利用しての参加です。「山口君、一週間休みをずらしてくれたまえ」と言われれば万事休すの身。直前までハラハラしながらも、運良く上司や同僚に恵まれ無事サンフランシスコ行きが決まりました。

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 当時私が抱えていた焦燥感。それは私が一個人としての参加者に過ぎないという事でした。2013年のSOCAP Japan Team参加者は20人で、半分が起業家、もう半分は企業派遣。誰もが明確なミッションをもって現地に向かう中、私は学びと刺激を求めて参加を決めたに過ぎませんでした。猛烈な不安感と焦燥感に駆られた私は覚悟を決めました。とにかく一人でも多くのアクターと話し、自分の問題意識をぶつけてみよう。

”CSRからCSV”、そんな掛け声がかかる中で、どこまで企業のど真ん中の事業として社会的インパクト投資が根付いていると言えるのだろう?

当時勤めていた金融機関で芽生えた疑問

 ”社会的インパクト投資”という言葉は煌びやかな響きを有します。”お金と意義が交わる新領域”。今や世界中が認めるホットトピック。社会的インパクト投資は紛れもなくその分野を牽引してきた動きです。

 これまでマイクロファイナンスが30年かけて起こしてきたイノベーション。次の30年はインパクト投資が創る30年だと、誰もが疑っていないように私には思えました。 その一方で私は金融機関にいたからこそ、その陰の側面を幾度となく目にする機会もありました。”CSRからCSV”、そんな掛け声がかかる中で、どこまで企業のど真ん中の事業として社会的インパクト投資が根付いていると言えるのだろう?そんな疑問が頭をよぎるようになりました。

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社会的インパクト投資はNew Asset Classである、という神話。

 そもそも”社会的インパクト投資”という領域がメインストリームの金融機関をも飲み込むうねりとなったきっかけは、2010年に公開された社会的インパクト投資に関するJPモルガンのレポート。そこでは社会的インパクト投資マーケットの輝かしい未来が描かれ、何より社会的インパクト投資が”New Asset Class”であることが主張されていました。

 すなわち投資家がポートフォリオを組む上で分散投資を促す新領域だという文脈です。社会的意義に立脚する社会的インパクト投資は、刹那的なマネーゲームに左右されない手堅い推移が期待できるだろう。そのような仮説の下、この新しい投資の形は支持を拡大してきました。

 そんな神話が崩れるに至ったサブプライムローン、そしてリーマンショック。大きく崩れた株価、新興国通貨の下落はそのまま社会的インパクト投資の金融商品の大きな下落、毀損を招きました。結局、社会的インパクト投資はNew Asset Classなどではない。熱狂的なMomentumを得てきたインパクト投資は、ぴしゃりとその洗礼を浴びることとなりました。

 

金融機関の社会的インパクト投資の現実。

 金融機関で社会的インパクト投資を個人投資家に案内する中で感じた事があります。それは社会的インパクト投資というコンセプトだけが一人歩きをして、その裾野は広がっていない現実でした。金融機関は投資家との既存の強固な関係を築いています。その関係性のもと数百億円という単位で社会的インパクト投資の資金源を築くことができる。これは大手金融機関だからこそできる強みであり、素晴らしい点です。

 しかしその一方で芽生えた疑問もあります。それは、マーケットが下落するとお金が逃げていくという事実。そして上昇しても利益確定で結局逃げてしまうというジレンマです。社会的インパクト投資本来の価値に基づいた関係性を築けない限り、次のブレイクスルーは生み出せないのではないか?私は全世界から投資家や起業家、NGOその他様々なアクターが一同に集うSOCAPという場所で、この問題意識を会う人全員にぶつけて回ることに決めました。

>> 「SOCAP、サンフランシスコでの勝負の一週間を振り返る〜カンファレンス本番編へ〜」

>> 「SOCAP、勝負の一週間を振り返る@帰国前夜編」に続く

 

この記事の執筆者

山口 洋一郎
Impact HUB Tokyo Investor Relations担当。慶應義塾大学を卒業後、大和証券株式会社にて個人投資家向け営業を担当。2013年にはImpact HUB Tokyoを通じてSOCAPに参加。社会的投資の分野に深い関心を持ち、2014年には国際協力NPO/Acumenの大阪支部であるOsaka+Acumenの立ち上げを主導。2014年末に大和証券を退職後、2015年2月よりImpact HUB Tokyoに参画。SOCAP Japan Teamプロジェクトをリードしている。

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